春に増える肉離れ

2026年05月21日

暖かくなった時期に注意したい筋肉のケガ

春になると気温が上がり、ランニングやスポーツを再開する方が増えてきます。
体を動かしやすい季節になる一方で、この時期に注意したいのが「肉離れ」です。

「久しぶりに走ったら太もも裏が痛くなった」
「ダッシュした瞬間にふくらはぎに鋭い痛みが出た」
「運動会や草野球で急に走ったら痛めた」

こうした相談は、春先から初夏にかけて増えやすくなります。

肉離れとはどのようなケガか

肉離れは、筋肉が急激に引き伸ばされたり、強く収縮したりした際に、筋線維が損傷するケガです。

医学的には「筋損傷」や「筋挫傷」と表現されることもあります。

特に発生しやすい部位は次の通りです。

・ハムストリングス
・ふくらはぎ
・大腿四頭筋
・内転筋

中でもハムストリングスの肉離れは、ダッシュや急な加速、方向転換が多いスポーツで起こりやすいとされています。ハムストリングス損傷は、サッカー、ラグビー、陸上競技など、高速走行やキック動作を伴う競技で多いことが報告されています。

なぜ春に肉離れが増えやすいのか

春は体を動かしやすい季節ですが、筋肉や腱にとっては注意が必要な時期です。

冬の間に運動量が減っていた方が、気温の上昇とともに急に運動を再開すると、筋肉が負荷に対応しきれないことがあります。

春に肉離れが増えやすい背景としては、次のような要素が考えられます。

・冬の運動不足
・筋力や柔軟性の低下
・急な運動量の増加
・ウォーミングアップ不足
・久しぶりのダッシュやジャンプ
・疲労が残った状態での運動

特に「暖かいから大丈夫」と思って準備不足のまま動き出すことが危険です。

気温が高くなると体は動きやすく感じますが、筋肉そのものが急な高強度運動に対応できる状態になっているとは限りません。

肉離れが起こるメカニズム

肉離れは、筋肉が「縮もうとしているのに、同時に引き伸ばされる」場面で起こりやすくなります。

これを遠心性収縮といいます。

例えば、次のような動作です。

・ダッシュ中の足を前に振り出す瞬間
・急停止する瞬間
・ジャンプの着地
・方向転換
・坂道や階段で強く踏み込む動作

ハムストリングスでは、スプリント動作の中でも脚を前に振り出す局面で筋活動が高まり、筋が強く引き伸ばされるため損傷リスクが高くなると考えられています。近年のレビューでも、ハムストリングス損傷のリスクには走行スピード、筋力、競技特性などが関係すると報告されています。

ふくらはぎの肉離れにも注意

春先に多いのは、太もも裏だけではありません。
ふくらはぎの肉離れも非常に多く見られます。

特にふくらはぎは、次のような動作で負担がかかります。

・急なダッシュ
・坂道ランニング
・ジャンプ
・テニスやサッカーでの切り返し
・久しぶりの運動

ふくらはぎの肉離れは、年齢や過去の筋損傷歴がリスク因子になることも報告されています。スポーツ現場では再発も問題になりやすく、十分な回復と段階的な復帰が重要です。

肉離れのサイン

肉離れでは、次のような症状が出ることがあります。

・ブチッ、ピキッとした感覚
・急な鋭い痛み
・歩くと痛い
・押すと強く痛む
・内出血が出る
・力を入れると痛い
・ストレッチで痛みが強くなる

軽症では「少し張っただけ」と感じることもあります。
しかし、軽く見えても筋線維に損傷が起きている場合があります。

特に、痛みがあるのに運動を続けると損傷範囲が広がる可能性があるため注意が必要です。

発生直後にやってはいけないこと

肉離れ直後は、筋肉の中で出血や炎症が起きている可能性があります。

この段階で無理に動かしたり、強く揉んだりすると、回復を遅らせることがあります。

避けた方がよい行動は次の通りです。

・痛みを我慢して運動を続ける
・強くストレッチする
・患部を強く揉む
・すぐに温める
・痛み止めだけで運動を再開する

まずは患部を保護し、負担を増やさないことが重要です。

肉離れは治りかけが一番危険

肉離れで特に注意したいのは、痛みが軽くなってきた時期です。

痛みが落ち着くと「もう大丈夫」と思って運動を再開したくなります。
しかし、筋肉の修復は痛みよりも遅れて進むため、この時期に再発するケースが少なくありません。

ハムストリングス損傷では、再発は復帰後早期に起こりやすく、約3分の1が再発するという報告もあります。特に復帰後2週間は再発リスクが高いとされています。

再発すると、

・回復期間が長くなる
・瘢痕組織が残りやすい
・筋力低下が続く
・同じ場所を繰り返し痛める

といった問題につながります。

当院が重視していること

肉離れの対応では、単に痛みを取るだけでは不十分です。

当院では、まず次の点を評価します。

・損傷部位
・損傷の程度
・内出血や腫れの有無
・筋の収縮時痛
・ストレッチ時痛
・関節の可動域
・左右差
・競技復帰の時期

そのうえで、状態に合わせて段階的に進めていきます。

・炎症と出血のコントロール
・患部の保護
・可動域の回復
・筋出力の再教育
・再発予防のための動作改善
・段階的な競技復帰

肉離れは、最初の処置と復帰のタイミングが非常に重要です。

春の運動再開で気をつけたいこと

春に久しぶりに運動を始める方は、いきなり全力で動かないことが大切です。

特に注意したいのは次のポイントです。

・最初から全力ダッシュをしない
・ウォーミングアップを丁寧に行う
・運動量を急に増やさない
・疲労が強い日は無理をしない
・違和感がある場合は早めに中止する

春は気持ちよく体を動かせる季節ですが、冬の間に落ちた筋力や柔軟性を考慮しながら、少しずつ負荷を上げることが重要です。

まとめ

春は運動を再開する方が増える一方で、肉離れも起こりやすい季節です。

特に、

・冬の運動不足
・急な運動量の増加
・準備運動不足
・久しぶりのダッシュ
・疲労が残った状態での運動

が重なると、ハムストリングスやふくらはぎに大きな負担がかかります。

肉離れは、痛みが引いたから終わりではありません。
再発を防ぐためには、損傷の程度を確認し、段階的に回復させることが大切です。

運動中に「ピキッ」とした痛みや違和感が出た場合は、無理をせず早めに状態を確認することをおすすめします。

ugook整骨院【浜松町・大門・芝公園】

院長:佐々木

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